田舎や離島でのんびり暮らしたい方は、意外と多いのではないでしょうか。でも、田舎や離島は仕事がないなど収入面で不安が有りますよね。
そんな方々に、青い海が有る離島の種子島が、現在、自衛隊基地建設による求人ラッシュで、熱い事をお伝えしたいのです。
種子島のすぐ隣の無人島である馬毛島に建設が決まった自衛隊基地の施設整備費として3182億9000万円を盛り込んだ2022年度当初の防衛予算が閣議決定されています。(予算は随時変更されており、ざっくりの金額です)
また、防衛省は、鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備に伴い、種子島1市2町に通知した2023年度分の米軍再編交付金が計28億3200万円になると発表しています。
馬毛島関連の再編補助金は、2022年度分として計10億6200万円、2023年度が28億3200万円、つまり2年間の合計で、38億9400万円の再編補助金が種子島に支給されるわけです。
種子島には馬毛島の基地建設で莫大な資金が流れ込んでおり、多くの作業員が必要であること、また急激に増える人口を受け入れる地元での深刻な人手不足が予想される状況について、防衛省の莫大な資料を根拠に紹介しています。
これから熱くなることが予想される離島の種子島、移住計画等をご検討中の方は、どのサイトにもない島の綺麗な写真も載せていますので、是非最後まで読んでみてください。
種子島に補助金のビッグウエーブ!離島には仕事がないって本当?そもそも種子島(馬毛島)のFCLPとは?
まず、「FCLP」とは、Field Carrier Landing Practice の略称で、空母への艦載機着陸訓練という意味です。
米空母の存在は、各地域を安定させる上で極めて重要な抑止力、対処力となっていますが、現在、FCLPが暫定的に実施されている硫黄島は、空母艦載機の拠点である岩国飛行場から遠く、緊急着陸用の飛行場が確保できません。
安全性に大きな懸念があることから、馬毛島において自衛隊施設を整備し、併せて、その施設を米軍による FCLP のための施設として活用することを目的として、滑走路等の飛行場施設及びその他の施設の早期の運用開始を目指し整備するものということになって居ます。
FCLP訓練は、空母出港前に空母艦載機パイロットの資格を回復するために必要な訓練とされています。
年間概ね1~2回を予定しており、現在硫黄島で実施されている訓練は1回当たり10日間程度で、訓練は日中から深夜にかけて実施されており、事前の準備を含め1回の訓練期間は、約1ヶ月で実施されています。
現在、種子島のお隣の小さな馬毛島に、このFCLP施設を持つ自衛隊の基地建設が始まりました。この結果、種子島は、求人ラッシュの状態です。
出典:国土地理院
出典:防衛省ホームページ
種子島に補助金のビッグウエーブ!離島には仕事がないって本当?基地建設作業員は2024年2月に6,000人
2024年度は種子島の人口が20%増えるが求人も活発
防衛相と西之表市の協議についての資料に、自衛隊基地建設の整備に掛かる工事作業員数の見込みは、2024年2月には6,000人に上る見込みであることが明記されています。
種子島の人口は、29,282人(2023年5月調べ)ですので、20%も人口が増えることになります。
工事着1年後の予想は、馬毛島4,000人、種子島2,000人の作業員が島に常駐するのですが、経済活動は、ほぼ6,000人すべてが種子島に依存することになるであろうと予測しています。
出典:防衛省ホームページ
2023年4月の種子島の作業員は810名、ピークの6,000人までの増員計画について
基地建設関連の作業員の増員計画は以下の通りです。
- 2023年 4月 種子島: 810名 馬毛島: 60名 計 870名(実績)
- 2023年 6月 種子島:1,000名 馬毛島: 300名 計1,300名
- 2023年 8月 種子島:1,500名 馬毛島: 800名 計2,300名
- 2023年10月 種子島:1,500名 馬毛島:2,000名 計3,500名
- 2023年12月 種子島:2,000名 馬毛島:2,500名 計4,500名
- 2024年 2月 種子島:2,000名 馬毛島:4,000名 計6,000名
つまり現在の6倍の作業員が、種子島に住むことが予想されています。
これら6000人に作業員が、一人年間100万円を種子島で使う場合、年間で60億円、また一人300万円を使う場合は、年間180億円が、消費として種子島に落ちることになります。
地元の企業や商店街、夜の繁華街も非常に潤うでしょうし、工事関連以外でも種子島で働く場所も増えると予想されます。
また、種子島での新規出店も増えるでしょう。
出典:西之表市のホームページ
馬毛島に作業員の仮設宿舎を2023年度7月までに340室、最終的には3,000室へ
3,000室の作業員仮設宿舎建設を計画していますが、当面の2023年7月までには、340室を建設する計画です。
これは、種子島の宿泊施設の状況がひっ迫していることを緩和する目的とのことですが、作業員たちにとって、種子島で働く場合、住むところが確保されるということでも有ります。
つまり、現在、種子島の宿の確保が出来ない事態は、今年2023年の7月以降から次第に緩和されていくと考えららえます。
産廃物の処理、工事の安全・治安、馬毛島の救急体制
人が増えますから、当然発生することが予想される事柄についての記載が有ります。
例えば、簡易焼却炉、交通誘導員の配置、馬毛島内に医務室の設置などが記載されていますが、十分な体制ではないため、やはり種子島の施設を利用することに有ろうかと思われます。
2023年8月くらいまでの工事内容は、ほぼ伐採・造成工事と仮設宿舎建設、環境保全措置
工事は始まったばかりですので、8月くらいまでは、土木関連の造成工事がメインの工事となります。
また環境破壊が心配されることから、環境保全措置も行られる見込みです。
出典:防衛省ホームページ
種子島に補助金のビッグウエーブ!離島には仕事がないって本当?基地建設関連の人集めも必死
例えば、馬毛島、求人で検索すると、現在は、湾岸や滑走路の土木工事が中心ですので、関連する応募が沢山あります。
募集例を挙げてみます。
- 募集内容:離島に自衛隊用の空港滑走路を作る 現場作業員
- 待遇:契約社員
- 詳細<50名の大量募集!月給45万円~90万円>
- 期間:2024年1月or3月からの約10ヶ月。
- その他:無人島でガッツリ稼いでみませんか?
また、祝い金や寮完備、高年者OK、高給の条件が提示されるなど、破格の条件が示されています。
- 65歳定年制(65代以上も再雇用あり最大70歳まで)
- 今なら入社祝金10万円支給!(規定有)
- 学歴不問、寮完備の為住み込み希望の方も多いです。在30代・40代・50代の方が、スケールの大きい仕事に携わっておられます
など、とにかく「人が欲しい」状況が伺えます。
種子島に補助金のビッグウエーブ!離島には仕事がないって本当?2年間で38億9400万円の補助金
これまでは、西之表市の資料でしたが、自衛隊基地建設に伴い、防衛省から地方公共団体に支給される交付金・補助金について、資料が発表されています。
出典:防衛省ホームページ
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備に伴い、2023年1月以降、滑走路や港湾施設など本格的な整備が始まっており、昨年度分の計10億6200万円の再編交付金が支給されています。
更に、防衛省は、種子島1市2町に通知した2023年度分の米軍再編交付金が計28億3200万円になると発表しています。
2年間の合計で、38億9400万円になることになりますし、今後、数年間にわたり支給されることが予想されます。
1.再編交付金による地元への還元を、他の地区の例で見てみます
これは、「住民の生活の利便性の向上等に寄与する事業を行うことが、米軍再編の円滑かつ確実な実施に資するため必要と認められる場合、その事業に係る費用に充てるものとして交付するもの」となって居ます。
用途は、公共施設の整備のほか、医療・福祉事業や、各種イベント開催、農業・漁業の振興等、幅広い使途に活用できます。
幅広い用途に活用できることから、自治体の判断が重要かと思われます。
これにより、種子島の学校などの公共施設や、病院・介護施設の整備、またお祭りなど各種イベントが盛大になり、農業や漁業がより振興されることが予想されますし、雇用も新たに生まれるでしょう。
百里飛行場・茨城県鉾田市 地場産業の育成・イメージアップ
再編交付金の事例として、「うまかっぺフェスタ」(平成28年度)など、地場産業PR事業として、関係団体、企業等と連携した地場産品のPR活動や加工品開発を実施。
交付額 :約1億5,400万円
小松飛行場・石川県小松市 防音工事費用の助成
小松市が定めた区域で住宅を新築し、市の認定する防音工事を行った住民に対して、20~100万円を助成
※小松市外の建築業者を利用した場合は10~50万円
交付額 :2億4,000万円
岩国飛行場の医師・看護師の派遣
大竹市の離島である阿多田島の診療所へ医師・看護師を派遣し、診療所業務を実施
交付額 :約4億1,500万円
キャンプ・シュワブ・沖縄県名護市の校給食費の無償化・給食の質の向上
名護市立の幼稚園、小学校及び中学校の生徒を対象に学校給食の無償化、種子島も給食が無料になるかも知れません。
交付額 :約10億2,200万円
キャンプ・シュワブ・沖縄県宜野座村 農業・漁業の振興
農業・漁業の振興のため、堆肥のための機器・車両の購入や、繁殖雌牛の購入、漁場づくりなどに活用
交付額 :約2億3,000万円
鹿屋飛行場・鹿児島県鹿屋市 文化のまち鹿屋魅力アップ事業
地域活性化、伝統文化の継承等を図る文化事業に活用
交付額 :約4,000万円
2.民生安定助成事業補助金が使われた例について
原則、馬毛島の施設の運用開始以降、交付される補助金ですが、馬毛島の園や農業・漁業用施設等、防衛施設により生じる障害の緩和のために、地方公共団体が計画する施設整備費用の一部を助成するものです。
目達原駐屯地・佐賀県吉野ヶ里町 公園の整備
快適で安全に遊べる公園の整備費用の一部を補助
補助額 :約4,000万円
佐世保海軍施設等・長崎県佐世保市 救急自動車の整備
補助額 :約1,700万円
芦屋飛行場・福岡県芦屋町 体育館の改修
充実した体育館の改築費用の一部を補助
補助額 :約9,300万円
大村飛行場・長崎県大村市 漁業用施設の整備
水産物の品質確保のため、漁業用施設の整備費用の一部を補助
補助額 :約1億7,100万円
東富士演習場・静岡県御殿場市 まちづくり支援
地域社会の調和のため、住民の交流等を推進する、まちづくりの構想や施設等の整備費用の一部を補助
(構想策定)
補 助 額 :約助額 :約2,100万円(補助率:事業費の9/10)
(設計・工事)
補助額 :約30億2,700万円
3.特定防衛施設周辺整備調整交付金が使われた例について
ジェット機の離着陸等が実施される結果、市町村が行う生活環境の改善等の事業に特に配慮を要する場合の事業に係る費用に充てるため、当該市町村に交付するものですが、用途は広く設定されています。
久米島射爆撃場(鳥島射爆撃場を含む)・沖縄県久米島町 公民館の改築
安心して利用できる公民館への改築費用に活用
交 付 額 :約1億4,600万円
入間飛行場・埼玉県狭山市 予防接種費用の助成
健康的な生活を推進するため、予防接種費用の助成に活用
交付額 :約3億600万円
鹿屋飛行場・鹿児島県鹿屋市 消防ポンプ自動車の整備
新しい消防ポンプ自動車の整備に活用
交付額 :約4,400万円
4.国有提供施設等所在市町村助成交付金 (基地交付金)
固定資産税の代替的性格を基本として交付されるものです。
この基地交付金については、使途が制限されない地方自治体の一般財源のため、事例のご紹介はありませんが、単純に、自治体の収入が増加します。
種子島に補助金のビッグウエーブ!離島には仕事がないって本当?種子島には仕事が溢れてる
実際の田舎暮らしを希望しても、田舎は求人が少なく、また給料が著しく低いため収入不足が大きな壁になります。
しかし、今の種子島は、自衛隊基地建設で、明らかに状況が変化しています。
また直接の基地建設だけでなく、地元の店舗やサービス業も人手不足の状態です。
また、自衛隊基地建設関連の仕事が数年間続いた後は、基地の本格運用も始まります。
種子島は、今大きな変化が起きているのです。
従来からある種子島への移住支援制度も活用できる
種子島には、種子島への移住支援制度が有りますが、それも大いに活用できます。
南種子町移住定住促進補助金など離島である種子島には、自治体ごとに多種の移住支援制度が有ります。
通常ならば、移住支援制度を利用しても、田舎なので「仕事がない」、「賃金が安い」という理由で、移住に失敗する方も多く居ますが、今、種子島は、仕事が十分に有りますので、移住が成功しやすいと言えます。
種子島に補助金のビッグウエーブ!離島には仕事がないって本当?38億9400万円の再編交付金まとめ
馬毛島にアメリカ軍の訓練などに使う自衛隊基地を整備する費用として2179億円が計上されていますが、これで大きな仕事の需要が見込まれます。
また、これ以外にも、自衛隊基地の関連で2022年度が10億6200万円、2023年度が28億3200万円、2年間で合計38億9400万円の再編交付金や補助金は、自治体の主導で住民に大きく還元されることが予想できます。
再編交付金だけでも、種子島は以下の事業が発生すると予測できます。
- 地場産業の育成・イメージアップとして、鉄砲祭りなどの島のお祭りが盛大になる
- 防音工事費用の助成により、暑い種子島でも、二重窓で快適なエアコン生活
- 医師・看護師の派遣により、種子島の医療の充実
- 校給食費の無償化・給食の質の向上により、種子島の求職は無料に!
- 農業・漁業の振興で、漁港の整備により、漁業の活性化
- 地域活性化、伝統文化の継承等を図る文化事業がより盛んになり、島の文化度が上がる
- 公園の整備で、種子島のキャンプ場や公園がより一層の充実
- 救急自動車の整備により、種子島では最新の消防車や消防車が走る街へ
- 体育館や武道場、相撲の土俵の整備、テニスコートや野球場の整備で、スポーツ振興
- 種子島の学校や通学バス等の整備
- 漁業用施設の整備により、水揚げ量の増加など漁業関係者の収入増
- まちづくり支援により、各所のサーフポイントのシャワーや更衣室の整備、海岸道路の拡張・舗装など
- 島全体の公民館など各種施設の改築
- 予防接種費用の助成や子供手当支給額増など子育て世代の負担減
- 地域商品券などの配布
いかがでしょう、どれも現実的ですし、いずれも雇用の拡大、島の平均賃金の上昇も期待できます。
田舎で暮らしたいけど収入が不安、或いは農業はちょっと苦手など、移住の検討は不安が一杯ですが、今の種子島は、他の田舎とは事情が違っています。
自治体の移住支援制度+自衛隊基地関連の仕事(馬毛島で働く、人が増えた種子島で働く)を考慮すれば、検討すべき移住先になるのではないでしょうか。
(1)自衛隊基地建設関連の仕事が5年間程度有り、高給で住居が約束される場合が多い
(2)基地の作業以外でも、補助金関連の仕事が増えている
(3)島の人口が増えることによる、地元企業の求人が増えている(サービス業など)
(4)基地完成後は、引き続き、自衛隊基地関連の仕事が有る
田舎家離島に移住を検討される方は、種子島を候補に入れて検討する際の資料になれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。