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種子島の夜間ロケット打上げの光跡撮影!撮影方法をEXIF付きで解説

05/11/2023

この記事では、ロケット光跡撮影のノウハウを余すことなくお伝えしています。

撮影方法を理解して、貴重なロケット打上げ光跡撮影にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

ロケット光跡写真の詳しい技法は、記事の下の方に有りますので、是非最後まで読んでみてください。

種子島の夜間ロケット打上げの光跡撮影!撮影方法をEXIF付きで解説について

ロケットの夜間打ち上げの撮影で、きれいな弧を描く神秘的な写真をご覧になった方も多いでしょう。

これらの写真はどうやって撮るの?など疑問に思う方も居るかと思いますが、この撮影は、「一発勝負」なのです。

撮影に失敗しても、もう一回ロケットを打ってくださいというのは無理ですから、何としても1回で成功させる必要が有ります。

2023年は新型H3ロケットの失敗での幕開け

H2B最終号機となったH2Bロケット9号機が、2020年5月21日未明、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げられましたが、この打ち上げが、夜間だったのです。

また、国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を届ける無人補給機「こうのとり」をH2Bロケット9号機を空中で分離してミッションは成功に終わりました。

次回の夜間ロケット打ち上げは、2025年に打ち上げられる、H2Aロケットの最終号機であるH2AF50です。

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ロケットの夜間打ち上げは、2~3年に1回

ロケットの打ち上げは、明るい昼間に行われることが多く、また、早朝の日の出直後も多いのです。

しかっし、夜間に打ち上げるのは2~3年に1回程度です。

ロケット光跡はいつでも撮影できるわけではないのです。

夜間打ち上げの場合は、ロケットの雄姿をカメラで捉えることが出来ませんので、光だけを捉える「光跡撮影」の技法が用いられます。

これは一発勝負の撮影ですが、撮影に成功すれば、非常に貴重な写真になります。

ロケットの撮影に挑むかたなら、おそらくこの光跡撮影に挑戦してみたいのではないでしょうか。

当記事では、ロケット光跡撮影に失敗しないように、撮影方法についての注意点等も併せて紹介しています。

撮影は一発勝負

ロケットの打ち上げ光跡撮影は、完全に一発勝負です。

失敗したら、撮り直しが出来ません。

失敗するリスクが大きく、プロカメラマンでも嫌がる撮影ですが、これに挑んで成功すると素晴らしい写真が撮れます。

夜間打ち上げの場合は、機体移動が昼間!

通常、ロケットは昼間に打ち上げますから、VABから射点までの機体移動は、夜間になります。

つまり、誰でもばっちりロケットを明るい昼間に撮影することが可能なのです。

明るくなってくると、3km以内は規制がされますので、ロケットのそばに近寄れません。

しかし、ロケットの夜間打ち上げは、全く別です。

夜間に打ち上げをしますから、明るい昼間に内にロケットの機体移動が行われます。

特に規制される前であれば、道路の観光場所からのロケットの雄姿を撮影することが誰でも可能なのです。

特別な意味があったH2B-9号機、発射台に「感謝 THANKS HOPE 希望」という文字

当時、プレスでも、本件は全く紹介されなかったので当サイトで紹介することししました。

コロナが蔓延し、世界中が震え上がる中での、非常に苦しい打ち上げ作業だったと思われるH2Bの最終9号機ですが、関係者のその思いが、ロケット発射台に秘められていました。

発射台に「感謝 THANKS HOPE 希望」という文字があったのです。

H2B-9号機は、未知の脅威と必死に戦ってきた技術者たちの、”特別な思い”が込められていたのです。

300mm望遠レンズで撮影しなければちょっと見えない看板でしたが、テレビ等の報道画面にはしっかり写っていましたが、その点に突っ込むテレビ番組は全く有りませんでした。

でも、私には、打ち上げ関係者の何か秘めた思いを感じた瞬間です。

H2B-9号機の特別なメッセージ

H2B-9号機だけに実施された特別なメッセージ

種子島のロケット光跡撮影!失敗しないための方法をEXIF付きで解説、注意点について

ロケットの光跡撮影は、本当に一発勝負です。

そこで、ロケットの光跡撮影のノウハウをお伝えしましょう。

バルブ撮影の注意点

ロケット光跡撮影は、90~150秒の間、シャッターを開放する必要が有りますので、カメラはバルブ撮影の設定が必要です。

またバルブ撮影の機能のないカメラの場合、インターバル撮影になります。

※インターバル撮影は記事の最後の方で紹介しています。

ロケットの打ち上げは、約1分ちょっとで、見た目頂点になります。

その後下向きに進むように見えます。

ですから1分半程度のバルブ撮影が必要ですが、これ以上、バルブ時間を長くしても意味は有りません。

大型三脚とレリーズは必須

シャッターボタンを押す場合、手で押した場合、確実にカメラがブレます。

その時点で撮影に失敗しています。

このブレを防ぐためには、出来るだけ大型三脚を用意しましょう。

セルフタイマーなどでシャッターを切ればブレませんが、その後もバルブ時間をコントロールするのが困難ですし、機能的にできないカメラも有るかと思います。

そのため、ロケットの光跡撮影は、レリーズの使用が必須です。

レリーズは無線式でも構いませんが、私は有線式で、ロック機構付を使っています。

約2分間、ボタンを押し続けるのも意外としんどいでっすから、ロック機構が活躍します。

このレリーズは、大体1000円ちょっとで買えます。

ロケットの光が目で見えなくなったら、レリーズのロックを解除し、バルブ撮影を終了しますが事前に練習しておきましょう。

真っ暗な場所での操作は、意外と失敗しやすいのです。

また、カメラを支える三脚は、重くて大きい方がより安定します。

三脚の重さが足りない場合は、三脚の足の部分に取り付できる三角形の布に、石ころなどを乗せることで、重量を稼ぐこともできます。

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ロケット射点の位置を確認

光跡撮影は、ロケットの点火から約90秒以上の撮影が必要ですが、この最初の発射位置の確認が大事です。

光跡の大事なスタート位置ですから、放物線を想定して、画角の隅の方に配置します。

昼間に射点の位置を確認しても、夜間は真っ暗で目標物が見えない場合も有りますので、十分な確認が必要です。

GPSやマップ等を利用して、発射位置の方向を確認

打上げ射点が目視できる場合は良いのですが、見えない場合は、明るい内に、射点の正確な方向をスマホのGPSなどで確認しましょう。

夜間では目視で確認できない場合が多いので、角度を頼りにカメラのアングルを決めるのです。

スマホのGPSセンサーに誤差が有れば、事前に把握しておきましょう。

ロケットの光跡のスタート位置は、光跡撮影では大変重要な要素です。

射点までの距離をGPSで把握

撮影する場所から射点までの距離をGPSで測っておきます。

この距離と、表-2を見て、打ち上げ光跡が使用するカメラレンズの画角に収まっているかを、事前に確認しましょう。

撮影場所選定の注意点

夜間のロケット光跡撮影には、注意点が有ります。

観客が居る場所は避ける

これは、バルブ撮影中に三脚を蹴られて、画角がずれてバルブ撮影が失敗することを防ぐためです。

打ち上げ時の観客の方々は、最初の20秒程度から、徐々に引き上げ始めます。

ロケットが見えなくなる最後まで見ている方は意外と少ないのです。

この時、夜間ですからカメラに気づかず、前を通り過ぎたり、カメラにぶつかってくる場合が有ります。

もちろん、自分で三脚を誤って蹴ってしまう場合が有りますから、十分注意しましょう。

バルブ撮影の大敵は、他人のLEDライトやカメラのフラッシュ

打上げ観客が居る場所での光跡撮影の最大の敵は、観客が持っているLEDライトと、カメラのビデオライトや自動フラッシュです。

フラッシュを焚いてもロケットが写るはずもないのですが、カメラの自動ストロボ発光機能が厄介です。

バルブ撮影中のカメラの近くでLEDライトやビデオライトを点灯されると、こちらの苦労が水の泡になります。

また、光跡を撮影しようとする他の一般の方のカメラのフラッシュで、同様にこちらの写真がダメになります。

光跡撮影場所は、近くに人が居ない所を選ぶべきです。

自動車のヘッドライトも大敵

種子島の場合は、交通量が少ないので、あまり気にする必要は有りません。

しかし、バルブ撮影中に、車のヘッドライトを点灯させた車がカメラの方に走ってくると、やはりバルブ撮影は失敗します。

自動車のヘッドライトは、かなり強烈ですので、道路から近い場所での撮影は避けましょう。

虫よけも大事

必然的に、余計な光が届かないよう物陰や草むらなど、開けた場所ではない所での撮影になります。

特に夏場などは虫よけスプレーが必須です。

真夏の種子島の蚊やアブの攻撃力は半端じゃないです。

夜霧に注意

種子島の日没直後は、島特有の「海霧」が発生します。

つまり、日没後数時間は夜間撮影中にレンズの結露が発生しやすくなります。

ファインダーには真っ暗ですから、肝心のレンズが曇っていることに気が付かない場合が多いのです。

星空撮影用のレンズヒーターが有ればこれを使うのがベストですが、ヒーターがない場合は、マメにレンズの結露を拭き取る要が有ります。

警察官の職質に有ってしまった場合

夜間に人気のない場所でカメラを構えますから、おまわりさんの職質に有ってしまう場合も有るかもしれません。

ロケットの光跡撮影と説明すれば問題ないかと思われますが、それでも他人の敷地等への侵入は絶対にやめておきましょう。

使用する広角レンズの確認方法

GPSや地図などで、射点までの距離は把握できたでしょうか?

今度は使用するカメラレンズ(おそらく広角レンズかと思います)の画角の確認です。

ロケットの光が見えるのは、SRB-A(個体ロケット)分離後、せいぜい、フェアリング分離辺りまです。

光が見えてる時間はさらにおよそ120秒程度で、目ではとらえられませんが、CCDが捉えているかも知れません。

念のため30秒を加算してバル微時間は150秒程度と思われます。

バルブ撮影で、あまり長い時間を撮影したくないですよね。

必要以上に長時間のバルブ撮影は、余計な光の侵入や画像ノイズの原因になります。

私の場合、画像のEXIFを確認すると手動で撮影したシャッター時間は154秒となっていました。

150秒程度開放が出来れば、バルブ撮影で綺麗なロケットが描く光跡の放物線が撮影できます。

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撮影は最初の2分間

光跡撮影で、10分とか15分とか書いてる場合が有ります。

それはロケットだけでなく、1枚の写真に星のグルグルを入れたい場合です。

15分も見える範囲にロケットが居るはずも有りませんが、せっかくなので星の巡る様を写真の撮ろうというものです。

ロケットは搭載している衛星の目的や種類などにより飛行行経路が違います。

光跡をすべて画角に納めるために、JAXAがネット上に公開している過去の打ち上げデータから当サイトでそれらを分析しています。

したがって、この記事を見た皆さんは面倒な計算する必要は有りませんが、厳密に確認したい方のために簡単に紹介します。

まずロケット光跡の最大角度を算出

ロケットは、高度をどんどん上げていきますが、実際には地球の周回上に沿って高度を上げていきます。

地上からの見た目には、きれいな弧を描いて、頂点を過ぎてから下がっていくように見えます。

光跡の見た目の放物線の最大高さになる位置を、過去のロケット打ち上げ10件のデータ(ネット上に公開されているデータ)から想定します。

またロケットには、衛星の種類によって、色々な軌道が有ります。

大気圏での軌道は撮影できませんので、地上からの最初の2分間程度の、光跡撮影に必要な、最初のおおむねの仰角が判れば良いことになります。

また打ち上げルートは、衛星の種類別の運用位置によって打上げ方向が東ルート、南ルート等が有りますが、打ち上げ最初の2分程度では一定方向と考えて良いと思います。

つまりロケットは初めの1~2分間は安全な海の方向、つまり射点から見て東側に向けて打ち上げるのです。

射点の西側での撮影は、弧が縦長にとんがる

ロケット光跡撮影は美しい山なりの放物線を撮りたいはずですが、場所によってはきれいな放物線にならず、非常にとんがった放物線になります。

種子島では射点の西側に位置する場所として、種子島の宇宙ヶ丘公園がそれに該当します。

種子島の宇宙ヶ丘公園で、ロケット光跡を撮影すると野球でいう、「キャッチャーフライ」みたいな、或いはタケノコみたいな光跡になります。

東側は海上のはずですので、九州地区から撮影する場合はほぼ考慮する必要は有りませんが、遠洋の海上や離島からの撮影は確認が必要です。

したがってロケット光跡撮影はロケット射点を南か北に見た位置での撮影が大事で、450度程度ズレるとちょっと変わった放物線になることが予想されます。

※いびつな放物線でも、もちろん味が有って良いのですが、念のため書いています。

ロケットの飛行経路は考慮不要

ロケットの打ち上げ経路は様々ですが、最初の2分間だけ見ると、初めは安全な東に打ち上げてから次第に経路を大きく変更していきます。

具体的な例を、H3の飛行経路図で示します。

図の中で光跡撮影はSRB-A燃焼終了まで程度、長くてもフェアリング分離までです。

赤丸の「フェアリング分離」のその遥か手前、本当に航路のわずかな始め部分で、図の中では約2-3mm程度の範囲であることが判ります。

したがって、ロケットの号機ごとに変わる南打ちや東打ち、衛星の運用高度などはだいぶ先の話ですから光跡撮影には全く関係ないのです。

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飛行経路

飛行経路で、光跡撮影するのは、この図の最初の2-3mm位です!

画像引用元:JAXAプレスリリース

放物線の見た目の頂点を画角に入れる計算

見た目の放物線の頂点は、実は追跡用のパラボナアンテナの運用最大仰角のデータが有れば完璧です。

一般的な撮影ですから打ち上げ後1分程度の「SRB-A分離前後」と想定して計算します。

※当サイトでは、ロケット光跡がカメラレンズの画角に収まるよう、およその角度を計算しています。

管理人の計算ですので、ざっくりです。

ロケット打ち上げの高さ算出

表1.ロケット打ち上げの高さ算出(概算です)

これによるとロケットのSRB-A分離時点では、水平距離で33.3km、高度が51.1kmの地点に居ますが、どのロケットもほぼ同じ結果でした。

カメラレンズの画角に入れば良いという観点から見ると、どのロケットも同じ設定で良さそうです。

(地球の丸みは、誤さの範囲ですので無視しています)

イプシロンは観測距離が近いので、かなりの画角を必要としていますが、遠くから撮影すれば問題はないでしょう。

撮影する場所と射点の距離から、必要な画角(垂直方向)を算出

表1の1分後の距離と高度データ、そして撮影する場所と射点の距離から、必要な画角(垂直方向)を算出します。

単純な三角関数で算出していますが、距離別の一覧表は以下の通りです。

光跡撮影に必要な画角

表2.射点からの距離別、光跡撮影に必要な画角

光跡撮影は射点からの距離によってカメラレンズの焦点距離を選ぶ必要が有ります。

目安としての一覧表を作成しています。

例えば、射点までの距離が10kmの地点での撮影は垂直方向が50度、さらに余白や誤差を考慮し10度を加算して、実際には垂直画角が60度ほど必要と算出しています。

10km地点ではレンズの焦点距離に換算すると35mmフルサイスの場合、18mmより短いレンズが必要で有ることが表-2より判ります。

リフレクション撮影(海などに光跡を反射させ、上下に光跡を写す写真)の場合は、倍の画角が必要です。

カメラの画素別の換算一覧表(参考)

カメラの画素が35mmフルサイズでない方も居ると思いますので、以下の表が役に立つはずです。

35mmフルサイズと代表的な画素サイズ別の比較表です。

同じ焦点距離表示でもCCDが小さい場合、特にCCDがマイクロフォーサースの場合は、同じ焦点距離でも、画面に光跡がおさまらない場合が有りますので注意が必要です。

画素サイズ別換算表

表3.画素サイズ別換算表

APS-Cの画素数等は、カメラメーカーにより画素数が微妙に違いますので、おおむねの値です

広角レンズは非常に高価ですが、メーカー純正品よりもシグマの広角レンズが使いやすく、高性能です。

垂直方向が画角に入れば、水平方向は余裕

光跡撮影は、放物線の頂点が画角に入れば、水平方向はまず画角に収まります。

垂直方向の画角だけしっかり確認しましょう。

ロケット光跡撮影に挑戦!失敗しないための方法をEXIF付きで解説詳細

長い撮影準備の説明になってしまいましたが、光跡撮影に使用すべき広角レンズの焦点距離が判明したと思います。

さて、ここから「ロケット光跡撮影」の方法についての説明です。

バルブ撮影(本番)前に、星空の写真を撮っておくと、合成写真が可能

バルブ撮影前に、夜間の星空写真を撮影しておくことをお勧めします。

光跡単体写真ではちょっと味気ない場合、星空写真と合成することが出来ます。

星空は長時間露光による、星の光跡グルグル」でも良いですし、普通の星の写真でも良いです。

重要なことはカメラを本番撮影状態から動かさないことです。

事前撮影(事後でも可)のサンプルです。光っている場所が、ロケットの射点です。

ロケット光跡の事前撮影

ロケット光跡の事前撮影はブルーライトの光が!

これは、本番のバルブ撮影と設定が大きく違います。真っ暗な中での設定変更ですから、ちょっと苦労するかも知れません。

事前撮影写真のEXIF(参考)

使用レンズ35mm10mm f=2.8、53秒、ISO=1600(星が写る設定ですが、時間が長めなので、星がちょっと流れてます)

事前撮影は、何枚でも撮れますので、たくさんとっておくと良いです。

たまたま飛行機が通過して、空に不本意な線が写っていたなどを避けることもできます。

H2B最終号機であるH2B9号機は、ブルーライトアップが実施され青い光が空に!

H2B9号機はコロナの真っ最中の打ち上げで医療関係者への感謝等の意味を込めて、ひっそりと「機体のブルーライトアップ」が行われていました。

そのため青い光が夜空に写っていますが、非常に貴重な瞬間でした。

これもマスコミには全く取り上げられることがなかったのですが、おそらく特別な思いを込めて機体のブルーライトアップを実施したのでしょう。

カメラマンもH2B-9号機の夜間打ち上げ光跡撮影は、何としても成功したいと感じた瞬間でした。

光跡の本番の撮影

しっかり準備をしてきましたが万が一「打ち上げ延期」になった場合、知らずに待機していた場合は無駄になってしまいます。

打上げ時間前にロケット打ち上げライブ中継などリアルタイムで確認できる中継を見て、打ち上げが中止になっていないか、又は打ち上げ時間が変更になっていないか確認しましょう。

ロケットの打ち上げは、カメラの距離が近い場合は真昼の設定でOKですが、距離が遠くなると光が弱くなるため星空撮影と同程度でOKとなります。

距離が近い場合はNDフィルターが必要

私は約4kmの位置での撮影ですから、いくらカメラの絞りを絞っても真っ白な写真になってしましま。

また、絞りすぎると回析現象が出て画像におかしなフレアが出てしまいます。

そこで、光量減少させるためNDフィルターを使用しています。

私の場合は、ND1000を使用しましたが、一般的にはND400あたりで大丈夫でしょう。

射点と撮影場所の距離が遠くになるにしたがって、距離の2乗に反比例してNDの数値を下げていきます。

距離が3kmならND1000、2倍の6kmなら1/4のND250(200-400程度)、3倍の9kmなら1/9のND100、それ以上ならほぼNDフィルターなしで撮影が可能です。

これは、ISO500の場合です。NDの値以外に絞り値を変えることも有効です。

絞りは、数値の倍数の2乗分の1になります。

(例)例えば、絞りを4から8(2倍)にすると光量は1/4になります。

しかし絞り値が22辺り以上では強い光に対して回析現象が発生しやすくなります。

鹿児島(桜島)からの撮影ならば、NDフィルターは不要

ロケット光跡撮影は、射点に近づくほどNDフィルターが必須になります。

鹿児島の鹿児島湾(錦江湾)あたり、桜島を背景に撮影する方が通常の星空撮影とほぼ同じ条件で撮影可能ですので、私のおすすめです。

光跡撮影に最適の場所は撮影した方々は皆さん秘密にしていますので判りません。

種子島の大崎射点と桜島を直線で結んだ先が光跡撮影のベストポイントになりますから、現地を歩いて研究してみてください。

桜島を背景にして、錦江湾の水面リフレクトの光跡写真の撮影ポイントを探す場合、写真下の地図を縮小して吉信射点と桜島の中心を結ぶと、その先に姶良市と霧島市の間辺りの海沿いの地点になりますが、発射地点が見えません。

桜島を背景視した光跡ポイントはロケット発射地点が桜島に隠れないポイント、つまり「鹿児島港新港南防波灯台」や「与次郎ヶ浜」あたりで探すと良いでしょう。

また、光跡が綺麗に海に写るリフレクションを狙いたい場合は桜島から撮影するのも方法です。

いずれも、光跡撮影をイメージする場所を地図で射点が桜島で隠れていないかなど、事前の明るい内に現地で確認をすることが大事です。

地図を拡大縮小して確認してみてください。

また、種子島に来て光跡を撮影するのは、距離が近くかなりの広角レンズが必要ですし光が強すぎるため、難易度が高いので注意が必要です。

近距離では、打上げ最初の閃光は撮影しない

近距離での光跡撮影は、打上げ最初のSRB-A点火時の閃光で写真が真っ白になってしまします。

つまり、この後に撮影を続けても既に撮影に失敗しています。

最初のまばゆい閃光がおさまって、ロケットが打ちあがり始める少し前からバルブ撮影開始すると良いでしょう。

なお、距離が遠い場合(10k以上が目安)は、最初の閃光が良いアクセントになりますので早めのシャッター開放が良いでしょう。

これが光跡画像のトリミングなしの画像です。

35,,mmフルサイズで10mmは、当時世界一の広角レンズを使用していますからだいぶ余裕が有ります。

ロケット打上げ光跡

ロケット打上げ光跡

距離が近い場合のロケット打上げ光跡写真は、景色に色味が少ないため、何だかちょっと寂しい感じですよね。

種子島の増田海岸あたりで、海面リフレクト撮影がお勧めなのですが、実際にはこんな感じになります。

光跡撮影写真のEXIF(参考)

使用レンズ35mm10mm f=8、154秒、ISO=500+ND1000

ND1000ですと、光量が1/1000ですから、ファインダーでは何も見えません。

ピントは広角レンズなので無限遠あたりでOKです。

種子島の増田海岸や、鹿児島の桜島を背景に光跡のリフレクト撮影(海に光跡が反射している)をするのが、海面リフレクト撮影の定番です。

2枚の画像を比較明合成

近距離の撮影ですのでNDフィルターを使っている結果、星が全く写って居ません。

そこで、全く同じフレームで事前に撮影していた星空写真と合成します。

写真加工ソフトで光跡写真と星空写真を合成しますが、それまでトリミングをしてはいけません。

画像が微妙にずれてしまうからです。

2枚の写真を合成後に広角レンズのパースを修正やトリミングや画像の加工をして完成です。

完成した写真がこれですが、ブログ用にかなり画質を落としています。オリジナルを是非お見せしたいところです。

ロケット光跡の合成後

ロケット光跡の合成後

この写真見たことが有るという方は、私のサイトから転用されたものでしょう。

正真正銘、当サイト管理人『しげぴい』が撮影したものです。

打上げ光跡のインターバル撮影

カメラの連続撮影モードで、最大の30秒等に設定してロケットの光跡撮影をする方法が有りますので紹介します。

最大の欠点は、光跡の一部が切れることに有ります。

切れるならば、逆に沢山切ってしまうと面白い写真が撮れます。

この写真はシャッタスピード10秒の連続撮影で、約20枚以上を比較明合成した得た写真です。

NDフィルターも不要なのですが、後の合成が大変です。重ねる枚数で光跡の長さが変わるのも特徴です。

手持ちのレンズでは画角に収まらない場合などに、この技法を使うと変わった写真が撮れますので効果的です。

また星がやたら写ってしまいますので、もう少し感度を下げてもしっかり写りますが、なにせ「一発勝負」ですから後悔しても後の祭りです。

下の写真はこの後神秘的な夜光雲が発生するのですが、その時の打ち上げ光跡です。

光跡のインターバル撮影

光跡のインターバル撮影10秒連続撮影の例

光跡撮影(インターバル10秒x22枚の比較明合成)

写真のEXIF(参考):使用レンズ Batis25mm 10秒の連続撮影 f=2、ISO=800×22枚合成

もう1枚、これはレンズの角度が不足していたので、縦長で撮影したロケット光跡写真を紹介します。

これも2枚の合成(光跡+星空)ですが、まだ未熟な感じです。

ロケットの光跡

明け方の打ち上げなら、神秘的な夜光雲発生の可能性

イプシロンの打ち上げで有名になった神秘的な夜光雲です。

日没直後や日の出直前ならば見ることが出来るかも知れませんので、打ち上げ後しばらく待機しましょう。

神秘的な夜光雲が撮影出来れば非常にラッキーです。

種子島の夜間ロケット打上げの光跡撮影!撮影方法をEXIF付きで解説 まとめ

ロケットの打ち上げは明るい昼間に行われることが多く、夜間に打ち上げるのは2年に1回程度です。

ロケットの夜間打ち上げの場合は光だけを捉える「光跡撮影」になりますが、詳しいやり方や注意点について、H2B-9号機の舞台を例に記事にしました。

光跡撮影に必要な主なコツは、以下の通りでした。

  • 適切な焦点距離を持つレンズの選定が必要
  • 適切な撮影場所の選択が必要
  • 適切な撮影の設定(バルブ撮影)が必要

もし夜間打ち上げが今後あった場合、チャンスは打ち上げ1回につき1度だけですし、失敗してしまった場合、取り直しが出来ないのが光跡撮影なのです。

今後もロケット光跡撮影に挑む方々のために参考になるようにと記事としました。

撮影設定について、色々と試行錯誤するチャンスが全く無いのが「一発勝負のロケット光跡撮影」なのです。

この一発勝負に果敢にチャレンジする方のお役に立てることを祈っています。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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