種子島のやや南寄りの中部東海岸にたたずむ自然の奇跡と言える「アーチ岩」。
近づいてみると、その自然が作り出した、まさに雄大な天空の岩の橋、自然の凄さを感じる時です。
波の侵食によって自然に生まれたこのアーチ状の岩は、「種子島の秘境」として知る人ぞ知る絶景スポットです。
しかし2025年のGW、数年ぶりに訪れてみると?
そこにはかつての姿とは明らかに違う「やせ細ったアーチ岩」がありました。
【崩れる前に見ておきたい!】種子島のアーチ岩が細くなっていた…2025年現地レポ
アーチ岩がやせ細っている、その確かな証拠、2029年に撮影した写真と、今年撮影した写真を比較してお見せしましょう!
【比較写真】かつてのアーチ岩 vs 2025年の現在
以前、何度かアーチ岩を訪れていましたので、古し写真を引っ張り出してきました。
5~6年前のアーチ岩(2019年撮影)
2019年、当サイトの管理人が撮影していた、種子島のアーチ岩の写真です。
実にしっかりとしたアーチです。
2019年撮影、実に太ましい、堂々たるかつての種子島のアーチ岩
この頃はアーチも堂々としたフォルムが印象的でした。
多くの旅行ガイドやSNS投稿でも「自然のアート作品」と絶賛されていた時期です。
こちらが2025年春に撮影した現在の姿、はかなげな自然が作った究極品がそこに!
そしてこれが、2025年4月29に撮影した写真です。うわぁぁ。思わず叫んでしましました。
まさに自然が作った究極の芸術品とも言えますが、今は極限の極み!今にも崩れそうな天空の橋がそこにありました。
2019年の写真と比較すれば一目瞭然ですが、アーチ部分が見る影もなくやせ細っている事がわかります。
たった5~6年でここまで崩れているとは!!!
2025年撮影した最新版、自然が作った究極品ともいえる種子島のアーチ岩、だいぶ痩せてはかなげな姿に!
更に、アーチ部分の根元の岩肌には、多数のひび割れが走っており、自然の力の凄まじさを実感しました。s
滅多に使わない超広角レンズ(10mm)が、カメラバックに入っていましたので、超至近距離から撮影した写真がこれです。
だいぶアーチ岩に近い場所ではありますが、岩の真下には入らないようにして撮影しています。
アーチ岩の真下に落ちている岩、まだ十分波に洗われていなくて、角々しい感じがします。
最近崩落した部分でしょうか?
超広角レンズ(10mm)でアーチ岩を至近距離から撮ってみました
アーチ岩、細くなってますよね?地元の人に聞いてみた
現地で出会った地元の方の話では、「ここ数年で少しずつ削れてきているね。最近は“そろそろ危ないかも”という声もあるよ」とのこと。
風や波、風化による侵食が長年にわたって積み重なった結果なのですが、現在は何だか「自然が作った究極の作品」が、まるで風前の灯みたいな姿になっています。
「崩落間近?」今こそ見るべき理由
このまま侵食が進めば、数年以内にアーチが崩れてしまう可能性も考えられます。
もちろん行政などから、正式な危険情報は出ていません。
だからこそ「今のうちに見ておきたい、いや見ておくべき絶景」なのかもしれません。
小さな子供たちも、ここからアーチ岩に向かいます。
橋の継ぎ手が崩落しているアーチ岩、そのヤバさを土木専門エキスパートも指摘
私はこういった関連の専門家ではないのですが、この日はたまたま「土木専門のエキスパート」が同行していました。
そこで、これどうなの?とご意見を伺ってみました。
ひび割れの状況などをまじまじと見ていた彼曰く、「これはいずれ崩れるね!金くれれば、配筋で補強してモルタル吹き付けたり、支柱を付けたりして補強出来るよ!何ならショッキングピンクに塗装しようか?(笑)」
また、「なんなら、どっかの岩をくり抜いて、アーチ岩をもう一個作っちゃおうか?金くれればね!」
あのさぁ、それじゃ自然にできた天空の橋じゃなくなるでしょ~www!
山をスポーンと切って平地にして道路を作っちゃう土木専門家のアイデア、ある意味恐ろしすぎます。
種子島のアーチ岩の継ぎ手部分がヤバイ
アーチ岩の継ぎ手部分を撮影してみましたので紹介します。
アーチ部分の岩の継ぎ手の一部が大きく掛けています。以前はこんな感じではなかったです。
こんなに削られているとは。もうこれは土木専門家の言う通り、本当にヤバいのかもしれません。
意外にも、地元の方々はまったく気が付いていない場合も!
このアーチ岩に初めて来たという小学生の女の子。
でもこのアーチ岩の危機については、前から何度か通っているカメラマンならすぐに気が付きますが、ここに初めて来た彼女達には知る由もありません。
ここで楽しげに遊ぶ地元の小学生たち、あまりマイナーなことは言いにくいので、「アーチの真下には危ないから行かないでね!」それしか言えない状況でした。
貝採りなどに夢中で楽しんでいる女の子達に、アーチ岩がそろそろヤバイかも!とは、ちょっと言えませんでした。
是非見たい!何と妊婦さんも参加、みんなで手を取り合って進みます。
アーチ岩に初めて来たという若い女性も、アーチ岩の危機には気が付きません
アーチ岩に初めて来たという若い女性ですが、まさかアーチ岩が崩落の危機だなんて知る由も有りません。
楽しんでいる様子でしたので、黙っている事に。
種子島の透き通る海
ここにはシーグラスがメッチャ有ります
アーチ岩近辺は、小粒の岩が一杯なのです。そしてここには、シーグラスも一杯あります。
表面のシーグラスを拾いつくしてなくなってしまっても、熊手などで表面をすくえば、いくらでもシーグラスが出てきます。
小さなお子様たちの絶好の遊び場にもなります。
家族でお弁当タイム
この場所は、家族でゆっくりとお弁当を楽しむことが出来ます。
種子島の直射日光が強すぎる場合は、ちょっとした岩陰を選ぶと良いでしょう。
子供たちにとっても、かけがえのない良い思い出になることでしょう。
家族でお弁当タイムも楽しめます。
ここで、妊婦さんはお昼寝タイムです。全然いいじゃないですか。
ここは、細かい砂利ですので、砂浜のように埃りが舞いません。ゆっくりお昼寝してください。
でも、一番下の子がメッチャ、ママに絡んでいます。お母さんは寝てても大変なのです。
ここで妊婦さんはお昼寝タイムです
アーチ岩へのアクセス・撮影のコツ
以前はがっちりとしていたアーチ岩、過去に当サイトで紹介していますので、こちらの記事を参照ください。
当時のアーチ岩の真正面からのアイキャッチ画像が有りますが、この時は、今より遥かに太ましくてしっかりしていますね。
(最新)アーチ岩に行く場合の注意点
- アーチ岩周辺は、岩場でコケや海藻で滑りやすいため、マリンシューズ(磯足袋)などの靴が必須
- 転倒するとケガをしますので、まずは安全第一でゆっくり慎重に歩きましょう
- 岩に行く時は、複数人で、地元の方同伴が安心です
- アーチ岩の真下には絶対に入らないようにしましょう(遠くから眺めましょう)崩落の危険があります
アーチ岩の周辺の景色を紹介
アーチ岩は、天空の橋の部分だけでなく、周辺にも見どころが有ります。
ちょっとだけ写真で紹介しましょう。
アーチ岩の近くの割れ目の奥に入ると、嘘のような光景が広がっています。
この場所は外から見ると真っ暗で何も見えないのですが、穴に下りて行ってみると、見事で美しい水路が有りました。
ここは潮が上がってくると、滅茶苦茶暴れ出しますので、潮位マイナスの時しか見ることが出来ないかも知れません。
アーチ岩周辺の景色
アーチ岩の後ろ側も、比較的簡単に歩いて行くことが出来ます。
これは、アーチ岩の後ろ側の光景です。この岩の先にも浸食された穴が有りますが、カメラを水没させるわけにはいきませんのでここまでで断念しています。
アーチ岩の後ろからの光景
アーチ岩の周辺は、地元のおばちゃんたちが、種子島ではおなじみの「アナゴ(貝です)」や「亀の手(貝です)」を
網袋いっぱいに採っていました。
アーチ岩周辺の景色、貝採りに最適な岩場
周辺には、自然が作りだした、嘘みたいな紋様の岩が沢山有ります。
こんな岩が自然に出来るなんて不思議です。
自然が作り出す、奇跡の紋様
こういう海岸は、海中でも撮影できるゴープロ(GoPro)がお勧めです。
私も欲しいのですが、なかなか買えません。
まとめ|自然の奇跡の造形、種子島のアーチ岩が見納めになる前に…
今は、地元の小学生たちも、この場所で楽しく遊べます。
将来、もしアーチ岩が崩落してしまっても、彼女たちには、この「自然が作った奇跡の橋」の記憶はしっかり残っているでしょう。
アーチ岩で遊ぶ女子小学生、この自然の奇跡ともいえる天空の岩の橋を覚えていて欲しい!
「自然は創り、そして壊す」、アーチ岩は、まさにその言葉を体現している存在です。
これまでの「雄々しい姿」も、今の「儚げな姿」も、どちらも自然がつくり出した一期一会の風景。
もし種子島を訪れる予定があるなら、今がラストチャンスかもしれません。
ただ、皆様の安全のため、くどい様ですが、アーチ岩の下は、いきなり岩が落ちてくるかも知れません。真下には絶対に行かないようにしてください!
最後までご覧いただきありがとうございました。