。サーフィンの技の中でも、難易度が高いテクニックと言われるエアリアル系のパフォーマンスは観客を魅了します。
今回は、種子島で撮影したサーフィンのエアー技について詳しく記事にしました。
サーフィンのエアー技は種子島の観客を魅了します
須田喬士郎プロ
サーフィンのエアー技の撮影について
サーフィンの技の中でも、難易度が高いと言われるテクニックのエアーですが、カメラマンにとっても魅力的な技です。
このエアーの撮影に成功すると、サーフィン撮影がより楽しくなるでしょう。
種子島レジェンドサーファーさんのエアー1
サーフィンのエアー技を繰り出すサーファーさんを見極める
サーフィンでエアー(エアリアル)が出来るのは、種子島でも限られたサーファーさん達だけです。
もちろん、飛ぶ人はカメラマンは大体マークしています。
しかし、サーフトリップなどで島に来て、いきなり飛んでくる方にも対応する努力が必要です。
一度飛んだサーファーさんをカメラマンは見てマークしていますから、次のエアーを狙う可能性が高いです。
JPSAの大会など、プロの場合は全員が飛んでくる可能性が高いですから、エアー技にも対応する準備が必要です。
種子島レジェンドサーファーのエアー2
サーフィンのエアー技撮影はカメラの連射性能を知っておく
サーフィンの技は、時間的には一瞬、1つの技が繰り出されるのはおよそ0.5秒、カットバック系の技でも1秒ほどでしょう。
この間に、カメラが持つ最高の連射速度で、サーファーさんが繰り出す技を撮影出来れば、良い絵が入っている確率は非常に高くなります。
ではガンガン連射しまくればいいのでは?
これが甘いです。カメラの連射には限界があります。
須田喬士郎プロ2
カメラの最高速度での連射には限界が有る
サーフィンを撮影された方は知っていると思いますが、連射速度10枚/秒とか、中には40枚/秒などと言う仕様が記載されています。
ただし、これには条件が有ります。
写真をSDカードに書き込むためには、SDカードの性能にもよります。
この時、最高画質で書き込む場合、2枚/秒あたりが限界になります。
連射した場合、SDカードに書き込むより早く撮影されます。
まず、書き込みを待つデータはカメラ本体の内部メモリーに保管されます。
その後、ゆっくりとSDカードに記録されていきます。
つまり、高速連射が可能な時間は、カメラ本体の内部メモリーがオーバーフローするまでなのです。
カメラの内部メモリーがオーバーフローしてしまうと、SD書き込み時間と同等の遅い連射モードになります。
結果、1秒に2回程度の撮影しかできなくなりますので、サーフィン撮影の場合、致命的です。
種子島レジェンドサーファーのエアー3
サーフィンのエアー技っ撮影の場合のフルサイズRaw(1枚30MB)で連射可能な時間は?
出来高重視のプロのカメラマンの場合は、撮影後の編集可能領域は狭くなりますが、JPEG撮って出しをします。
その場合、ファイルサイズも小さいことから、数十秒間の連射枚数を確保できます。
短時間なら、あまり気にしなくても大丈夫かも知れません。
私の場合は、きれいな写真を撮りたいと願っていますから、写真はフルサイズで、編集可能領域が広いRawRaw画像で撮影しています。
しかし、Raw撮影は写真1枚当たり30MBを軽く超えてしまいます。
そのため,30MBの写真で高速連射した場合、せいぜい5秒程度しか持ちません。
また、内部メモリーが一杯になったとたん、ゆっくりモード(2枚/秒)になります。
したがって、連射はほどほどにしないと決定的チャンスを逃がす恐れが有るのです。
種子島レジェンドサーファーのエアー4
種子島レジェンドサーファーのエアー5
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サーフィンのエアー技の連射は、カメラの内部メモリーがパンクしないように撮影
サーフィンの上級者の場合、1回の技で終わることなく、数回マニューバを入れてきます。
このとき、サーファーさんの動きを考えずに、ただ連射していると、シャッターチャンスを逃します。
内部メモリーのパンクを防ぐために、シャッターの連射を制限しながら撮影する必要が有ります。
種子島レジェンドサーファーのエアー6
種子島レジェンドサーファーのエアー7
サーフィンのエアー技撮影時、シャッターの高速連射を使うタイミング
サーフィン写真は、入水前、海から上がってくるとき等、シャッターチャンスではあります。
今日は、純粋にサーフィンをしているときの撮影について書いてます。
波待ち中
波待ちでは連射しない方が良いですし、撮影自体、少しだけ取ればよいと考えています。
しかし、変わった波待ち(ボード上で昼寝してるなど)であれば、数枚撮っておくのも有りです。
サーフィンのエアー技撮影の待機中、パドル~テイクオフ
これは押さえておきたいですが、連射する必要はないでしょう。
的確なポイントを狙って、適切にシャーターを切ればよいでしょう。
これは次に来る、ボトムでの撮影チャンスを確実に得るための内部メモリーの節約です。
種子島レジェンドサーファーのエアー8
ボトム位置
ボトムでのサーファーさんの写真は是非撮っておきたいですが、連射は不要でしょう。
でも、これから技が繰り出されますから、息をひそめてサーファーさんの動きをよく見て、少し早めに連射する準備です。
何か手などで反動をつけてから波に当てに行きますから、個人の癖も見極めると良いです。
ただ、アマのサーファーさんに多いのですが、ボトムでしっかり腰を落として『今からやるよ~』っていう雰囲気をs出します。
しかし、雰囲気を出しながら結果何もしない、いわゆる『やるやる詐欺』に引っかかって高速連射をしてしまいます。
この場合、あっという間にカメラの内部メモリーを多大に消費しますから注意が必要です。
種子島プロの空中旋回
サーフィンのエアー技撮影で、1回目のターンは高速連射必須
いよいよ1回目の技が繰り出されるタイミングです。
とりあえず、少し前から高速連射です。
上級者やプロの場合、1回のターンで終わることは有りません。
この時、最初にカメラの内部メモリーを使い切ってしまうと、次のマニューバの撮影がゆっくりモードでの撮影になってしまいます。
そのため、ちょっとメモリを節約しながらの連射です。
技の一番いいとこはフルで連射して、後は、間欠的に連射をします。
これでも、板が理想的な角度で撮れないのがサーフィンです。
つまり、いい絵が撮れているのを祈るだけです。
また、1回目のマニューバからいきなりエアー系の技は出してこない場合が殆どですから、エアー系の撮影準備はまず不要です。
サーフィンのエアー技撮影は、2回目以降のターン以降に注意
2回目以降はいつエアー系の技が繰り出されてもおかしくありません。
やはり最後にエアーで締める感じの構成が多いので、カメラマンはエアー技対策モードに入ります。
波とサーファーさんの動きを見て、『ここは1回カットバックしてきそうだから、その次かな?』など想像しながら撮影しましょう。
この準備していないと、エアー系はシャッターチャンスを逃すからです。
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サーフィンのエアー技撮影中のカメラマンの失敗例
エアーの撮影では、慣れていないとやはり失敗しやすいですが、主な失敗例を上げます。
手振れ
高速シャッタを切っていても望遠レンズだと手振れすることが有ります。
上手く撮れれば流し撮り風になります。
これはサーファーさんをファインダの中心などで動かない状態で追い続けることに成功した場合だけです。
サーファーさんが急に飛んで、追いかけてレンズを慌てて振りながら撮影すると、手振れで使えない写真になってしまいます。
必ず、飛んだ位置を先に想定したフレームワークが必要です。
フレームアウト
最も多い失敗がこれではないでしょうか。
これは、写真の枠からサーファーさんがはみ出してしまう状況です。
特に想定以上に高く飛ばれると、この失敗が出やすくなります。
飛んでいる最中に両手を上にあげるサーファーさんも多いので、手が切れた場合も失敗でしょう。
波が大きいとやはり高く飛びますので、波の大きさも考えながらフレームワークをしましょう。
ファインダーから見失ってしまう
カメラマンはファインダーの情報が命ですが、飛んだ瞬間、ファインダーからサーファーさんが消えてしまうことがあります。
この場合、ウロウロとサーファーさんを探すことになります。
しかし、見つけた時は既に着水または転覆(笑)しています。
種子島レジェンドサーファーのエアー9
サーフィンカメラマンのエアー対策について
慣れるまでは野鳥撮影用の照準器をカメラにつけておく
ファインダーでサーファーさんを見失うと、望遠レンズの場合探すのに時間が掛かります。
超望遠レンズの場合はなおさらです。
こんな時は、野鳥撮影用の照準器をカメラにつけておきましょう。
この照準器の中心と、カメラのファインダーの中心を事前にしっかりと合わせる必要は有ります。
しかし、s正しく設定すれば、野鳥の高速な動きにも追従出来る照準器は強い味方になります。
また、ファインダーを見なくても撮影が可能になり、サーファーさんを見失うことは有りません。
更に、動画撮影の際は、照準器が有るとメッチャ楽です。
炎天下の真昼間に、液晶だと見えにくいという問題もあります。
それに比べ、照準器は外を直接見ていますから、見ずらいという問題も有りません。
サーファーさんが、照準器の十字線の中心付近に収まるよう、カメラを動かしているだけですから、撮影の失敗は激減します。
両眼を開けて撮影するテクニック
片目だけファインダーを見て、もう片方の目をつぶるのが一般的な撮影です。
しかしながら、照準器が無い場合は、両眼を開けて撮影する習慣をつけましょう。
具体的には、右目でファインダー、左目で全体状況を見ながら、ここ一番では右目に集中します。
ファインダーから目標を外すことは、このやり方でぐっと減ります。
このとき、ファインダーの外側でテイクオフを始めたサーファーさんも左目で見ていますので見逃しませんから、すぐに撮影に入れます。
サーフィン撮影をするなら、両眼を開けて撮影する技術を身に着けると、撮影範囲が広がります。
サーファーさんの動きを読む
何となくで良いので、『あれ、今ボードの後ろを踏み込んだ?何かやる?』みたいな感覚で見てみましょう。
サーフィンで何かをやる前は、ちょっとした手の反動など何か前兆が有るものです。
また、サーファーさんがチューブを狙っているときは、テイクオフの際、いつもとちょっとタイミングをずらしてくるのがはっきり判ります。
この感覚はチューブライディングにも応用できます。
サーファーさんのスピードで判断する
なんだかスピードが早いな?と感じたら、ほぼエアー狙いの前兆ですから追いかけましょう。
エアーが上手な人はサーフィンのスピードが速いことは、望遠レンズで撮影してるとはっきりと判ります。
逆にスピードが遅い方は、まず飛んできません。
つまり、スピードが速いサーファーさんは、出来高が良い傾向が有り、インスタを飾る写真になったりします。
種子島レジェンドサーファーのエアー10
カメラマンのエアー系撮影の準備
サーファーさんのエアーの気配を感じたら、瞬時に準備すべきことが有ります。
オートフォーカスは、ピンボケの可能性があるのでフォーカスロックをする
カメラやレンズの機種により大いに違いますが、AFで撮っていると、エアー技の際サーファーさんの位置がセンターにない場合が多く、オートフォーカスがずれる時が有ります。
そのため、常にAFモードで撮影するのではなく、半押しでAF作動で、そのままAFロックしてフレームを調整しながら連射できるモードを選択しておくと良いでしょう。
飛ぶ位置を想定して、フレーム位置を変える
サーフィンのエアーは、波の遥か上で、更に両手を万歳したりしますから、いつもとは違うフレーミングでの撮影になります。
具体的には、サーファーさんが上の方ギリギリに配置できれば、飛んでる感も出ますが、手が切れるのは最悪です。
サーファーさんが写真のど真ん中でも仕方ないと思いますが、なるだけエアー技は、サーファーさんが上の方に配置した方が、波もしっかり写りますし迫力がでます。
一瞬の出来事ですから、理想通りに配置できないのが困るところですが、努力はしてみましょう。
観客を魅了するサーフィンのエアー技、意外な飛び方が有ります
エアーのスぺシャリスト?、とにかく飛ぶのが滅茶苦茶上手なサーファーさんが居ますが、彼らは意外な飛び方もしてきます。
ボトムから飛ぶ
普通のエアー系の技は、ボトムから波を駆け上がって波の一番上から飛ぶのが一般的です。
ところが、テイクオフ後にボトムの位置に付いたとたん、そのスピードでいきなりエアー技を繰り出すのです。
このタイミングで飛ばれると撮影は困難なのですが、そのエアーのクオリティは非常に高いので、何度も撮影を試みて何度も失敗しました。
とにかく、いつ飛ぶかわからないので、連射開始時は時すでに遅しの状態です。
種子島レジェンドサーファーのエアー11
波が無くても飛ぶ
はっ、そんな小さな波で飛ぶか?
飛ぶのが上手なサーファーさんは小さな波でも飛んできます。
この時、カメラマンは完全に油断していますから殆どは撮り損ねます。
地元のサーファーさんで飛ぶことが判っている場合は『この波でも飛んでくるんじゃね?』って予想して対応しています。
種子島レジェンドサーファーのエアー12
種子島レジェンドサーファーのエアー13
ボードをグラブして飛ぶ
スケートボードの技じゃないだろうか?と言うぐらい、サーフィンではあまりみかけない『グラブ技』ですが、ググるとサーフィンの技としてボードをつかむ場所や掴み方でたくさんの名前まで有るようです。
JPSAプロ大会でもわずかにしか見たことが無いサーフィンのグラブ技ですが、なんと、種子島では普通に見ることができますし、しょぼ波でも繰り出す方が居ます。
まさにサーフィンレジェンド達の技を見れる種子島です。
種子島レジェンドサーファーのエアー14
種子島レジェンドサーファーのエアー15
不思議な見たこともないエアー技を練習?
何か、不思議な技に取り組んでいる?場面に出くわす時が有ります。
スペシャリストの考えはカメラマンにはわからないのですが、変わったエアーをするレジェンドサーファーさん。
このように、ボードの回し方が見たことない角度でひねる様子??研究中なのかも知れませんが、カメラマンにとってはありがたいシャッターチャンスです。
種子島レジェンドサーファーのエアー16
カメラマンは、とにかく飛んでくれる人が大好き
サーファーさんとカメラマンで感覚が違うところかも知れません。
エアーをした場合、きちんと着水してフィニッシュすれば競技の場合高得点にもなります。
更に、サーファーさんは着水にもこだわるかと思いますが、カメラマンの本音は・・・
ぶっちゃけ、何でもいいから派手に飛んでくれれば良いのです。
エアーのフィニッシュの写真は、その駒だけ見ると意外と普通です。
従って、カメラマンにとってフィニッシュはどうでも良いのが本音です。
一応、フィニッシュも成功しましたよっていう感じで撮影はしています。
サーフィンのエアー技撮影は失敗がつきもの
下の写真のように思いっきり飛んだ結果、昔の小説『八墓村』状
態になっても、これもまたダブルでシャッターチャンスができます。
たとえ、頭から海に落ちようが、海面にビタ付け(全身強打)だろうが、ボードに顔面強打しようが、素晴らしい写真になるのでカメラマンは滅茶滅茶喜びます。
ただ、ボードを折らない程度にやってくださいね!
ボードを折ったサーファーさんは、カメラを水没させたカメラマン同様に、暗い顔になりますから。
カメラマンの前でのサーフィンの失敗など気にする必要は全くありません。
むしろありがたいのですからバンバン飛んでみてください。
きっとカメラマンは喜んで撮ってくれるはずです。
片足がボードからずっこけて板が回転しちゃて、顔面を板に強打していても、『すげぇ!ロデオフリップを片足で仕掛けるスパーサーファー!』とか書いてくれるかも知れません。
エアーの着地で、まるで八墓村状態のサーファーさん
サーフィンのエアー技は種子島の観客を魅了 まとめ
エアーを撮影するコツを、種子島地元サーファさん達のエアー写真多めで構成してみました。
この記事の写真は男性ばかりでつまらなかったかも知れませんね。
記事中の写真は適当に配置していますので、文章の内容とその前後の写真とは関係ありません。
ここまで見てくれた方々のお礼として、最後にJPSA種子島大会で撮影したエアー写真を紹介します。
猛暑の中、頑張って撮影しているカメラマンへのプロからのサービスみたいな気がした写真です。
この時は、正面のべストポジションで飛んでくれましたので、撮っていてうれしくなったのを覚えています。
種子島レジェンドサーファーのエアー17
種子島レジェンドサーファーのエアー18
サーフィンのエアー技は、観客を魅了する まとめ
種子島で見た豪快なエアーを飛ぶ地元レジェンド達の写真はいかがだったでしょうか。
このように、カメラの前で飛んでくれるサーファーさん達にはいつも感謝です。
また当ブログに登場いただいているすべてのサーファーさん達にも感謝の気持ちで一杯です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。