サーフィンの撮影機材は、なんと天体望遠鏡(BORG)をAF化について紹介
天体望遠鏡のAF化は、かなり変わった機材なのでインスタでは説明ができない
私のサーフフィン撮影機材はかなり変わっています。
まず、入手も困難ですが、インスタにサーフィン写真を載せると、『コイツ、機材何使ってる?』と思われるようです。
海外からの機材問い合わせのDMも有り、機材について説明しようかと思いましたが、インスタでは文字制限で無理でした。
隠している訳ではなく、説明が困難という事情です。
天体望遠鏡のAF化する際、機材が入手が困難ですので参考程度に!
私の機材、特にBORGはなかなか売っていませんので入手が困難です。
しかも自分で組み合わせたりすることが必要なため色々大変です。
市販の望遠ズームレンズでもサーフィン撮影は十分ですし、私のように苦労する必要も有りません。
つまり、コイツ、そういう機材を使っているのだな!程度でお読みください。
ありえない、カメラ用望遠レンズでなく天体望遠鏡を使用
私のサーフィン撮影用のレンズは、天体望遠鏡です。
勿論、初めの頃は、普通に300mmとか400mmの単焦点レンズを使っていました。
しかし、種子島のサーフィン撮影は、場所によって400mmでは短いため、テレコンバーターが必要でした。
でも、これを使うと2段近く暗くなりますし、画質も落ちてしまいました。
そこで天体望遠鏡を使うことにしました。
サーフィン撮影に天体望遠鏡を採用したことについて
天体望遠鏡のAF化と一般的な望遠レンズで決定的に違うこと
①使用しているレンズの枚数が大きく違う
天体望遠鏡は、超高性能で高価なものでもレンズ枚数は2~3枚、多くても4枚です。
写真用望遠鏡のレンズは、レンズのコーティング技術が進歩したため、枚数を増やしても光量の減少を抑えられます。
そのため、ピント合わせやズーム機能や収差の補正にレンズの枚数を増やすことになります。
結果、カメラ用のレンズは8枚から、多ければ20枚以上使用しています。
レンズのコーティング技術が進化したとはいえ、光は何枚ものガラスを通過します。
これは、近距離ではあまり影響は有りませんが、無限遠の映像に影響が出るのは避けられません。
無限遠の星空を撮る場合、カメラ用望遠レンズを使う方はおらず、天体望遠鏡を使うのはそのためといえます。
②天体望遠鏡は、無限遠の撮影に特化しているが近距離は苦手
写真用レンズは、望遠レンズでも数mから無限遠のピント合わせの範囲があります。
しかし、天体望遠鏡は、鏡胴の長さを調節することで若干はピントを合わせることも可能ですが、基本的には無限遠だけです。
例えば、400mmのカメラレンズなら20mくらいの位置では素晴らしい描写です。
しかしながら、無限遠の撮影に関しては、カメラ用レンズは天体望遠鏡と比較した場合、軍配は断然天体望遠鏡に上がります。
しかしながら、天体望遠鏡は、近距離撮影では、カメラ用望遠レンズには全くかないません。
でも、サーフィン撮影で、サーファーさん達は、100m以上に居ますので、ほぼ無限遠と同等です。
つまり、サーフィン撮影は、安い天体望遠鏡でも超高級カメラ用レンズに匹敵する画質が期待できます。
また、レンズが少ないので非常に軽いですし、カメラレンズと違って分解や改造が簡単です。
私の場合、野鳥撮影でマニアには解像度に定評があるBORGを使用してサーフィン撮影をしています。
③天体望遠鏡の最大の欠点、AFがないこと
天体望遠鏡の最大の欠点は、当たり前ですが、AF(オートフォーカス)がないことです。
この欠点は、動きが激しいサーフィン撮影には致命的です。
でもAF化する方法は有りますので、私は天体望遠鏡をAF化してサーフィン撮影をしてきました。
④天体望遠鏡の超絶欠点、ズーム機能がない
望遠鏡内部に組み込んだ、写真用のクローズアップレンズの倍率変更などで、天体望遠鏡も有る程度の焦点距離の変更はできます。
しかし、ズームレンズのように手軽に画角を変えられません。天体望遠鏡の最大の欠点とも言えます。
この対策は、ずばり、足で稼ぐ人間ズームレンズしか有りません。
⑤AF化しても、カメラのピントの微調整が大変
せっかく天体望遠鏡をAF化しても、正規レンズでは有りませんので誤差が有ります。
それは、ファインダー経由の光路と、AF測距回路と実際のCCDまでの距離がわずかに違っているからです。
これらは写真撮影にとって命とりです。
※キットレンズなどの標準ズームレンズでは、そもそもピントが甘いので関係ない話です
メーカに調整を依頼できない
普通のプロカメラマンの場合、契約カメラメーカーがカメラ本体とレンズをセットで、きっちりAFの誤差の調整をしてくれます。
そのため、年1回は機材のドック入りしている方も多いかと思います。
アマチュアカメラマンで、高級なレンズなのにどうも写真がすっきりしないという場合は、AFの微調整が必要な場合が有るかもしれません。
残念ながら、殆どのアマチュアカメラマンはこの調整をやっていません。
プロ契約していないアマチュアカメラマンは、カメラとレンズ1組み当たり約1万円程度でカメラメーカーにAFのピントの微調整を依頼することも可能です。
その結果、見違えるようにビシッとピントが合った写真が取れるようになるかも知れません。
しかし、私の場合、自分で組み合わせた天体望遠鏡のAF機能ですから、メーカーの対応はありません。
そのため、AFの誤差修正や微調整は自分でやるしか有りません。
ファインダーで見た画像でなく、実際に撮影した画像を確認して、何度もピントの微調整をします。
とはいえ、そもそもこのAF調整機能がないカメラでは調整ができませんし、ピントの調整で天体望遠鏡がカメラの調整範囲を超えていたら使えません。
また、メーカーの技術者専用の裏コマンドなどでの適正範囲を超えたAF微調整は、カメラを壊すことも有りますからお勧めしません。
⑥慣れるまでは写真の失敗が多い
シャッターを押すだけで取れるカメラレンズと違って、初めは失敗写真を量産します。
慣れと工夫と根性が必要です。
⑦なんかダサイし、安っぽく見える
他のカメラマンンに海で出会うと、私の機材を見て(?)という顔をされます。
何じゃそのレンズは?という感じで笑われます。
恐らく天体望遠鏡でサーフィンを撮影しているカメラマンは、その不便さに世界でも数えるほどではないかと思います。
⑧天体望遠鏡はイメージサークルが大きいで、中心の良いとこだけを使える
天体望遠鏡の良い点も有ります。
カメラレンズはCCDの大きさに対して目いっぱいの設計ですから、四隅の収差の補正まで気を使ってレンズを沢山使っています。
その結果、無限遠が若干ですが甘くなりますし、F値に比べて実効F値が大きくなります。
これに対して、天田尾望遠鏡にカメラをつけた場合、CCDのサイズと比較して大きなイメージサークルの中心部のおいしい所だけを使えるのです。
画質面でこれはかなり有利かもしれません。
また、BORGの基本仕様は、レンズが2枚しか有りませんから、同じF値でも驚くほど明かるいことを実感できます。
種子島のサーフィンカメラマンが使っている撮影機材について、私の機材
具体的な撮影機材を紹介します
私がメインで使っているサーフィン撮影機材です。他に普通のサブカメラが有ります。
- レンズ:BORG77EDⅡ510mmF6.6(これは現在製造中止なのでBORG90FL(フローライト/硅石)がお勧め)
- クローズアップレンズ:ケンコーNo,3(APOタイプ)写真用としてBORG内部にセット
- AFアダプター:ペンタックスF-AFアダプター、PENTAXにしかAFアダプターがない
- カメラ:ペンタックスK-3Ⅱ中古品、波打ち際で撮影するため中古品にしています
- 予備電池:3個(1日中撮影する場合)
- フード:ねじ込み式100Φx50mmx2個
- 照準器:ドットサイト照準器 EE-1(オリンパス)(本来はカワセミ撮影用)
- 三脚(ジッツオが欲しいのですが、安いけど重いもの)
- ジンバル雲台(高級品がいいのですが、安物のグリス入れ替え品)
- 他スナップ撮影用カメラ一式(ちょっとした撮影用で、SONY+Zeissが主)
- 椅子、パラソル、タオル、大きいビニル袋、洗濯バサミ(雨風対策)
- リモートシャッター(動画撮影のブレ防止)
- バランス用おもり(ジンバルをスムーズに動かすため)
- ブレ防止のカメラレール(雲台のねじだけではぶれるので、カメラサポート付のカメラガイド)
写真は、大型フード取り付け以前のものです。
Shige-Pのサーフィン撮影機材
BORGのAF(オートフォーカス)化について
BORGという天体望遠鏡のAFかについては、『BORG AF化』で検索すると沢山出てきます。
そして、手軽なのがPENTAXのAFアダプターを使うことです。
望遠レンズは単独では使用は510mmですが、イメージサークルは余裕で35mmCCDをカバーしています。
AFアダプターを使うとテレコンになっていますから1.7倍で、PENTAX K-3はCCDがAPS-Cサイズです。
そのため、35mm換算で更に1.5倍、しかし写真用の収差除去用にクローズアップレンズで倍率を下げて0.7倍程度(クローズアップレンズを入れる位置にもよります)、トータルで35mm換算で1020mm程度になります。
安いズームレンズのレンズを取り出して改造するAF化の手法も有ります。
とはいえ、これはかなり大変ですが、AFアダプタなら簡単です。
AFアダプターはそのまま使うとカメラの機能がオートでしか使えませんので、接点を短絡させるなどちょっとした改造が必要です。(ネット上にやり方があります)
これも、実際のサーフィン撮影では、接点の短絡部が離れ、接触不良による誤動作に悩まされました。
結局はAFアダプター分解して、接点部の必要な端子だけを短絡させるなどして、カメラの全機能が使え、かつ誤動作しないよう改造しています。
これは、非常に小さなバネや端子をばらす緻密な作業で、ピンセットで作業します。
PENTAXのレンズのピンアサイメントはネットにも公開されていますから、工作が好きな人には楽しいです。
Borgは、なかなか売ってませんが、BORG90FLがお勧めです。
下はBORG55FLの紹介です。
AF天体望遠鏡での写真撮影
BORGは、色々な部品を用途に応じて組めますが、基本はドローチューブの繰り出しで大まかにピント合わせ、ヘリコイドで更に微妙にピントを合わせます。
後は、サーフィンのポイントで撮影可能な範囲をAFでカバーできる様に、ヘリコイドで微調整していきます。
後はAFにお任せです。
このドローチューブの引き出し具合では、距離によってAFが効かなかったりしますが、慣れれば問題は有りません。
照準器について
1000mm級の望遠レンズでサーフィン撮影をする場合、ファインダーからサーファーさんが外れてしまうと、探すのに苦労します。
上か下か、どこにいるかファインダー上の波だけの視界では全くわからないからです。
私は、ストロボの取り付け部に『照準器』をつけていますから、サーファーさんを見失うことは全く有りませんでした。
事前に照準器の中心と、ファインダーの中心をしっかり合わせておけば、ファインダーも覗かなくても撮影が可能です。
また、両眼を開けてサーフィン撮影ができます。
これは、一人のサーファーさんを撮影しつつ、フィニッシュになってきたら、ファインダー外の”次にテイクオフしそうなサーファーさん”を探すことができますので非常に楽です。
注意点としては、撮影中、時々照準器がずれていないか確認しないと、写真のセンターが全部ずれていたなんてことが起きます。
照準器を取り付けているサーフィンカメラマンは、私以外にまだ見たことは有りませんが野鳥撮影するかたにとって照準器は常識です。
野鳥の素早い動きに、ファインダーを覗いていては追いかけられないからです。
野鳥撮影用の小道具ですが、サーフィンに照準器をつける場合、防滴型を選ぶと良いでしょう。
サーフィン撮影中に雨が降ったくらいでは何の問題もなく撮影を継続できます。
私は、大雨でも台風でも波が掛かる場所でもサーフィン撮影していましたから、種子島のサーファーさんたちは知っているかと思います。
電池も半年くらいは平気ですが、徐々に目印のLEDが薄くなってきます。
照準器のターゲットLEDが薄くなったと感じたらボタン電池の交換が必要です。
私は、照準器をセット中は、『ターゲットスコープオープン、電影クロスゲージ明度20』など、波動砲発射のセリフをつぶやいてました。
私が使っているおススメ照準器
カメラ本体について
私の普段使いのカメラはSONYですが、サーフィン撮影用はPENTAXの3万円代の中古品を使っています。
撮影枚数が非常に多いので、数か月でシャッターの設計寿命に到達してしまいます。
種子島では、カメラ故障の際は、修理に持ち込めませんので買い換えていました。
中古カメラのシャッタ回数は、販売店でも表示おらず、メーカーごとの裏コマンド(ネットに有ります)で真のシャッタ回数を確認する必要が有ります。
ネットで購入する場合は、実際のシャッターを切った回数はわかりませんので、運任せの要素が有ります。
私のように1日で数千枚を撮るカメラマンが使ったカメラは避けたいのが正直なところです。
しかし、、今まで数台購入したPENTAXの中古品の場合、シャッタ回数は、なんと数百回以下など新品同様の大当たりが多い気がします。
おそらく子供さんの運動会用に買って、使わなくなって売ってしまった感じでしょうか。
シャッターの寿命の判断は、私の経験上ではメーカーの設計回数よりも、連射中におかしなコマが混じり始めた時が寿命と考えています。
基本的にメーカーのシャッターの回数の数倍は問題なく写せます。
これは、素晴らしいことですが、大量に写真を撮る方は大事な撮影で失敗しないように、レンズとのAF調整を済ませたサブカメラを用意しましょう。
遮光環(バッフル)について
カメラ用レンズの場合は改造は無理です。
しかし、天体望遠鏡なら鏡胴内部やフードに自作の遮光環(バッフル)の取り付けなどの改造が可能ですし、簡単です。
レンズを蛍光灯に向てて、カメラ側のレンズをのぞき込むと、鏡胴内部が光っている部分があると思います。
これは、明らかに反射処理が不足しています。
高級な天体望遠鏡は、その辺は最初からきちんと処理がされていますが、BORGの場合は自分で取り付ける必要が有ります。
内部のバッフルに、黒い市販のカメラ用植毛紙を貼るのも大いに効果が有ります。
やはり、最大効果を発揮させるためには、遮光環(バッフル)との併用が効果的です。
遮光環のエッジは『ナイフエッジ』と呼ばれるように、先端が剃刀のように薄いほど乱反射防止効果が高いので、樹脂や金属でなくても、薄いくて黒い塗料を塗った紙で作ると楽に作成できます。
作成する場合は、画角がケラレないよう、また効果的に乱反射が消えるようします。
そのため、正確な寸法により計算したリング状の遮光環を筐体内部に入れていきますが、計算上は4枚程度入れれば事は足ります。
私の場合は、サーフィン撮影ですから、真夏の種子島の南方向(太陽側)を向けてサーフィン撮影をすることも考慮に入れています。
結果、望遠鏡内部にはバッフルを21枚、レンズフードに10枚の遮光環をつけています。
1枚1枚、すべて微妙に寸法が違いますが、これまた工作好きな方には楽しいはずです。
※遮光環は、31枚入れても、4枚でも計算上は差はないのですが、そこは趣味です。
台風中の撮影でバッフルが痛んだため、修理時に撮った雑な写真ですが、参考までに載せておきます。
レンズの先端に行くほどバッフルの穴は大きく、カメラに近いほど穴は小さくなりますが、計算して寸法を出す必要が有ります。
サーフィン用望遠レンズバッフルその1
台風で歪んだバッフルの修理中、バッフルは薄い紙製
絞りについて
天体望遠鏡には、カメラレンズに当然有る『絞り』が有りません。
天体撮影の場合は、普通は常に開放での撮影ですので、絞りは要りません。
しかし、私は羽が20枚くらい有る絞りをつけています。
実は、写真撮影では1/800~1/1600位のシャッター速度を設定していますが、動画撮影では、1/60秒とかですから、開放では明るすぎるのです。
写真と動画を同じ機材で撮れるよう工夫した結果、絞りを取り付けています。
動画では、開放が目盛り70mmとすると、10mm位まで絞ります。
すると、サーフィン撮影の範囲ではAFが不要でになり、AFアダプターを外して撮影が可能です(商店距離が700mm程度になってしまいますが)。
これにより、サーフポイント全域でピントが合いますので、フレーミングだけ集中すれば動画撮影が可能な状態になります。
望遠鏡の絞り (対物レンズ側に設置)
サーフィンの撮影機材は望遠レンズでなく天体望遠鏡(BORG)をAF化して撮影 まとめ
私の機材はどうでしたか?とてもめんどくさい機材ですよね。
インスタのDMでの機材問合せは、簡単には返事が出来ないことがお分かりいただけたかと思います。
当サイトでは、サーフィン撮影は普通の機材を使うことをお勧めします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。