海辺に積んでいない方は、浜辺のゴミを拾う「ビーチクリーン」に参加した経験が有る方は少ないでしょう。
種子島は四方を海に囲まれた島ですから、島民の方々の多くが、このビーチクリーンを実施しています。
この記事では、海洋ゴミ問題に取り組む方々のビーチクリーン活動について紹介しています。
是非、ビーチクリーン活動で、晴れやかな種子島の方々の写真だけでも最後まで是非ご覧ください。
海洋プラスチックごみ問題と種子島のビーチクリーン活動の現状
海から遠い内地に居ますと、なかなか感じることができない海洋ゴミ問題ですが、離島に住んでいるとゴミ問題は身近なことになります。
特にプラスチックゴミは自然に帰りにくく劣化しないため、将来は魚の量よりプラスチックゴミの方が多くなるなど危惧されています。
まずは、海洋ゴミのうち、プラスチックゴミについて、環境省のHPから概要を紹介します。
第3章 プラスチックを取り巻く状況と資源循環体制の構築に向けて
プラスチックは、その機能の高度化を通じて食品ロスの削減やエネルギー効率の改善等に寄与し、例えば、我が国の産業界もその技術開発等に率先して取り組むなど、こうした社会的課題の解決に貢献してきました。一方で、金属等の他素材と比べて有効利用される割合は、我が国では一定の水準に達しているものの、世界全体で見れば未だ低く、また、不適正な処理のため世界全体で年間数百万トンを超える陸上から海洋へのプラスチックごみの流出があると推計した研究もあり、地球規模での環境汚染が懸念されています。出典: www.env.go.jp
種子島の海洋ゴミの量と内訳
環境省の資料(平成28年度調査)によりますと、種子島の海洋ゴミは、
- 50m当たり224個のゴミ(国内でもトップクラスの漂着量)
- 5%が日本国内
- 41%が中国
- 6%が韓国
- 2%がその他
- 45%が不明
となっており、種子島はゴミが非常に多く漂着していることがデータからも判ります。
今度、もし島に異動になり海が凪てる日は、海洋投棄物の分析データを取ってみたいと考えてます。
海洋プラスチックごみ問題と種子島のビーチクリーン、地元の活動
種子島の美しい海、でもその陰には地元サーファーさん達の『ビーチクリーン』など影の努力が有ります。
私が住んでいた南種子町のビーチクリーン状況ですが、かなりの頻度で実施されています。
自治体の呼びかけで行われる大規模なビーチクリーン
年に1~2回実施されている、役場など地元の自治体主催で呼びかけられるビーチクリーン活動です。
南種子町の場合、ロケット打ち上げ関連会社が多く有りますので、これらの企業にも海岸清掃に参加要請が来ますし、子供たちを連れて家族で参加する方などを含めて、参加人数もたいへん多く、また流木など自然に帰るものは重機で砂浜に埋める等、大規模で圧倒的なパワーで行われます。
また、この時回収した海洋ゴミは自治体の費用で処分されていますから、参加者の『拾った後のゴミの処理問題』が軽減されています。
さすがは、種子島の自治体です。
地元サーフコミュニティ主催のビーチクリーン
地元のサーフコミュニティが主催するビーチクリーンが有ります。
月に1回程度、毎回場所を変えて実施されるビーチクリーンは、サーファーさん達が実施している清掃活動です。
これ、実に素晴らしいことではないでしょうか。数時間、無償でごみを拾って家に持ち帰り、自費でそのゴミを処分しているのです。
海洋に投棄されるごみは膨大過ぎて、個人で拾える量は限られていますから、海洋全体では大した効果はないかも知れませんが、。
サーファーさんに、なぜゴミを拾うのか聞いてみたところ、
種子島の海にゴミで散らかっていたら、他から来たサーファーさんに『種子島のサーファーはゴミを拾わないのか?』って思われちゃうじゃん!という答えでした。
他の誰かが捨てたゴミを文句も言わずに拾っていたのですから驚きです。
私には、彼に後光が差しているように見えましたね。世界中のサーファーさんは、ビーチクリーン活動を熱心に行っているのです。
地元のホテルなどの宿泊施設が、ほぼ毎日清掃をしている
種子島の綺麗な海には、近くの宿泊施設や地元の方々が毎日ゴミを清掃しています。
私が知らない活動も他にも有るかも知れませんが、これらのビーチクリーン活動で集めたごみは、すべて各自家に持ち帰り、選別して洗浄してから自費にて廃棄処理をしています。
地元のビーチクリーンで綺麗に維持されている種子島の海岸
JPSAで種子島に来たプロサーファーさんがやっていた活動に驚き
サーフライダーファウンデーションという世界的な組織が有りますが、こちらの団体が提唱する内容は「サーフボードを持つ、もう片方の手でゴミを拾いましょう」というものでした。
これを実践しているプロサーファーさん達を、JPSA種子島で知ることになります。
プロサーファーさんが、試合の前日などに片手にゴミを持っているので、『なぜ?』と思ったのですが、遠征先でゴミが有ったら、たとえ1個でもいいから拾ってるそうで、若いプロサーファさんでしたが、えらく感心してしまいました。
ビーチクリーンの意義について
ビーチクリーンは、海岸やビーチでゴミを拾う取り組みのことですが、「そんなことして何の意義が有るのか?」と疑問に思われる方のために、以下にビーチクリーンの意義についていくつかのポイントを挙げてみます。
環境保護
ビーチクリーンは、海洋環境の保護と美化に寄与します。
海岸やビーチは、鳥類、海洋生物、植物など多様な生物の生息地です。
しかし、捨てられたゴミやプラスチックは海洋生物にとっての重大な脅威となり、彼らの生存や生態系に悪影響を及ぼす可能性がありますので、ビーチクリーンによってゴミが取り除かれれば、海洋環境の保護に貢献することができます。
美しい景観の維持
清潔な海岸や美しいビーチは、多くの人々にとってリラックスできる場所です。
ビーチクリーンは、ゴミや漂流物が堆積するのを防ぎ、美しい景観を維持する役割を果たします。
これにより、観光客や地域住民が快適な環境でリラックスやレクリエーションを楽しむことができます。
意識啓発
ビーチクリーンは、環境問題やゴミの処理に関する意識を高める機会を提供します。
参加者は、ゴミの種類やその影響について学び、自身の行動が環境に与える影響を実感することができます。
また、ビーチクリーンに参加することで、ゴミの適切な分別やリサイクルの重要性についても学ぶことができます。
地域コミュニティの結束
ビーチクリーンは、地域の人々を一つの目的のもとに結集させます。
参加者は、共通の目標を持ち、協力してゴミを拾い集めることで結束感を得ることができます。また、地域コミュニティにおいてビーチクリーンのイベントを開催することで、地域の人々との交流や連帯感を深めることもできます。
持続可能な未来の形成
ビーチクリーンは、持続可能な未来を形成するための具体的な行動の一環です。
ゴミの問題は世界的な課題であり、ビーチクリーンはその一部ですが、大きな変化をもたらす一歩となります。
ビーチクリーンに参加することで、環境への負荷を減らし、地球の持続可能性に向けた取り組みに貢献することができます。
教育と未来の世代へのメッセージ
ビーチクリーンは教育的な側面も持っています。
参加者は、ゴミの問題や海洋環境の保護について学びながら、将来の世代へのメッセージを発信する役割を果たします。
子供たちや若者にビーチクリーンの重要性を伝えることで、彼らに環境への意識を育む機会を提供し、持続可能な未来のための行動を促すことができます。
グローバルな影響
ビーチクリーンは地域的な活動ですが、その影響はグローバルに広がります。
海洋ゴミは海流や風によって広がり、異なる地域や国々に影響を及ぼします。したがって、ビーチクリーンの取り組みは地域のみならず、国際的な連携や意識の高揚を促し、海洋環境保護の重要性を世界に発信する役割も果たします。
これらの要点からわかるように、ビーチクリーンは単なるゴミ拾いの活動ではなく、環境保護や意識啓発、持続可能な未来の形成につながる重要な取り組みです。自分自身や地域社会、そして地球全体のために、積極的に参加し、ビーチクリーンの意義を広めていくことが重要です。
子供たちの参加と意識啓発
ビーチクリーンの活動には子供たちも積極的に参加しています。
地元の学校やコミュニティセンターから集まった子供たちが、楽しみながらゴミを拾い、海洋環境の重要性やゴミ問題について学んでいます。
彼らの活動を通じて、次世代へのメッセージと意識啓発の重要性を強調することができます。
環境保護のための創意工夫
ビーチクリーンの活動で、参加者たちは様々な創意工夫を行っています。
例えば、特殊なゴミ袋やツールを使用して、ゴミの収集や分別を効率的に行っているケースや、リサイクル可能なゴミを再利用するためのアイデアがあるかもしれません。
このような創意工夫や実践例を記事で紹介することで、読者に参考となる方法やアイデアを提供することができます。
地域コミュニティの連携
ビーチクリーンの活動は、地域コミュニティの連携と協力のもとに行われる場合があります。
地元の住民やビーチ愛好家、地元のビジネスや団体が手を組んでビーチクリーンを実施する様子を紹介することができますし、地域コミュニティが協力して取り組む姿勢は、連帯感や地域の一体感を醸成し、読者にも同様の取り組みを促すことができます。
珍しいゴミの発見
例えば、参加者がビーチクリーンの際に、遠くの海域から漂着した珍しい貝殻や珍獣の歯、海外から流れ着いた謎のプラスチック製品などを発見する場合もあります。
これらのエピソードは、ビーチクリーンがどれほど広範囲で環境に影響を及ぼしているかを示し、ゴミ問題の深刻さを強調する効果があります。
また、このような珍しいゴミの発見は、読者の関心を引き、ビーチクリーンの重要性について再考させるきっかけになるかもしれません。
地域の変化と継続的な取り組み
ビーチクリーンの活動が行われる種子島では、定期的なビーチクリーンが継続的に行われています。
ビーチクリーンの取り組みが地域の美化や環境改善に大きな影響を与えています。
ビーチクリーンのイベントやキャンペーン
特定の時期に、自治体主導でビーチクリーンの大規模なイベントやキャンペーンが行われることがあります。
例えば、国際的な海洋ゴミ対策の日や地域の環境保護週間などが該当します。
ビーチクリーンの成果と励み
ビーチクリーンの活動によって、ゴミの量や種類が減少し、海岸やビーチの美化が実現されることがあります。
当記事では、ビーチクリーンの成果を数値や写真とともに紹介し、地域の住民や参加者の喜びや励みの声を取り上げています。
彼らの声を通じて、ビーチクリーンの取り組みが具体的な結果を生み出し、参加者たちにとっての喜びや達成感を共有できることを願っています。
ビーチクリーンの連鎖効果
ビーチクリーンの活動は、単なるゴミ拾い以上の意味を持ちます。
ビーチクリーンが地域社会や参加者たちに与える連鎖効果を紹介することで、例えば、ビーチクリーンの活動を通じて、参加者たちがプラスチックの使用を減らし、リサイクルを促進する生活スタイルに変化したり、地域のゴミ問題に対する関心が高まり、地域全体での環境保護活動が盛んになるなど効果が見込まれます。
ボランティアや地域の支援
ビーチクリーンの活動は、ボランティアや地域の支援を受けて成り立っています。
参加者や主催者、地域の団体や企業のビーチクリーンを紹介することで、て支援を呼びかけることが出来るよう、実績を紹介しています。
海洋プラスチックごみ問題と種子島のビーチクリーン活動のまとめ
海洋ゴミを拾っている写真は、ビーチクリーン活動のほんの一部ですが、島の素晴らしい活動を実施されている方々を紹介しました。
黙々とビーチクリーンに参加されている方は、みな神々しい気がします。
もちろん種子島だけでなく、世界中のサーファーさん達は海洋ゴミを拾っていますが、海洋に投棄されるゴミは膨大過ぎて、個人で拾える量は限られていますから、海洋全体では大した効果はないかも知れません。
でも、こういう地道な活動が、いずれゴミを海洋投棄しない事が世界中に広がっていくことを望んでいます。
次やそのまた次の世代に、綺麗な海を残してあげたいものです。
今はビーチクリーンの活動に参加できない方々も、何か機会が有るときに、この活動に参加してみることで、自身の行動や消費に意識を持てるようになるきっかけになるかも知れません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。